ビーストバインド トリニティ リプレイ 罪館事件～デアボリック・ディテクティブ～ (ログインテーブルトークRPGシリーズ)

これもレビューするのを忘れてた。ビーストバインドリプレイは割と外れが無い面白さが各巻で安定してましたが、今回も面白さは健在。プレイヤーに師走トオルをゲストとして迎えた豪華仕様。そしてシナリオは館モノのミステリ、雪の山荘を舞台にした殺人事件なのですが、作中でも言われているようにWhyやHow、Whoを生真面目に追い求めるのではなくバカミスです。つまり、謎解きも大事なのですが、それ以上に雰囲気をげらげら笑いながら楽しもうという趣向です。(バカミス：ミステリの設定やお約束を、茶化したりメタったりパロったりする作品群のことです。蔑称ではなくエンタメとして愛されています。)キャラクターも素敵、-美少年名探偵：田中天／悪魔に魂を売った魂の多重債務者！-メイドロボ：矢野俊策／一歩間違えばガンタンクのキャタピラ仕様-死霊課刑事：井上純一／宇宙からやってきた時に地球人に衝突して殺してしまい、ばれない様に体をのっとるダメ宇宙人-怪盗神父：師走トオル／半魔の正体と絡めたロリコン設定がGMの用意したNPCと噛み合って素晴らしいまたGMの用意するNPCも、狷介そうな老主人、尊大な実業家、影のある喪服美女、落ちぶれた皮肉屋青年、病弱なゴスロリ美少女、執事のせむし男、婆メイド、といかにもな面子がそろっていますし、さらに死んだ(といわれる)兄弟がいたかも、等、これで遺産相続が始まったら死人がでるのは間違い無しのセッティング。キャラクター紹介からミニシナリオを経て本編に入るのですが、最初から最後までハイテンションで、笑い続けながらあっという間に読了してしまった面白さです。特に師走氏のキャラクターはロリコンという性格付けもあってロールプレイが一々面白いのに加え、最後の本性を暴露する部分で更に笑いを取るという仕掛けで楽しませてくれました。ネタばれを避けるために歯にモノが挟まった言い方になりますがご勘弁を。田中天氏の使った＜ルーツ：契約者＞は巻末にデータとして掲載されています。また、シナリオが一本付いてきてますので、実際に遊ぶ人には良いと思いますが、私のような読み専にはちと値段が重いものになっているのが残念です。実際にプレイを行う人には、TRPGでは難しいとされるミステリシナリオの運用例としても面白いかもしれません。